◆都市経営センスに疑問

今年も蓮田ひまわり畑イベントが昨日から開催されました。これは4・5年前から市民ボランティアが遊休農地の活用を模索して始めたもので、一切の入場料も駐車料も取らず入場時間の制限も有りません。

信じがたいほどに人の善意が前提の行動原理です。ところが市の対応は善意を全く理解しないで悪意が前提かのように規則ばかりを厳格に適用し、何も支援をしていないようです。

 

にも関わらず、年々口コミで評判が広がり、市外は勿論県外からも多くの人が訪れ、年々出店やコンサートも増え会場も拡大してきています。正に継続は力なりを実感します

蓮田のイベントでこれは非常に珍しいことです。外貨(=地域外からの通貨流入の意)が獲得できることは都市経営のイロハですから、これを市長が全く無視するということはいかなる理由があろうとも全くもって情けないことですし、ではいったい何故無視するのかとなると、やはり謎です。

 

実は、本日この蓮田ひまわり畑イベントを見に行く前に、「あの日のオルガン」という映画を見てきたので尚更でした。

 

というのも、この映画は戦争中の蓮田市の旧平野村を舞台にした幼児疎開の映画で、蓮田市は映画製作に200万円の寄付をし、議員達に鑑賞券の販売を委託するなどの応援をしているのですが、実際鑑賞してみると何処にも蓮田のハの字も無く平野村というだけで、京都がロケ現場の山間の風景で劇中に夜空を赤々焦がす場面が熊谷空襲とあっては熊谷市の郊外が舞台と思うことはあっても、平野村が現在の蓮田市とは誰も思わないでしょう。

 

市民ボランティアが遠く他県の人を呼び寄せるイベントを定着させていることを無視するばかりか農政の規則を厳格に適用する一方で、蓮田のハの字も出ない映画を応援する現蓮田市政のメンタリティ・都市経営のセンスにはホント首を傾げるばかりか疑問を感じざるを得ません。

 

尚、念のため注記しておきますが、私は「あの日のオルガン」映画の応援を非難してはいません、これはこれで聖地巡礼に結び付けられれば良いと考えています。

 

但し、当初映画製作会社から蓮田市内ロケの申し入れがあったとき、現市長は断ったのでロケ地が京都になったとのこと。

 

その後このことを聞きつけた市民団体の要望等が有り、後から蓮田市は映画支援を決めたそうな。

 

なのでロケ地が京都では、果たして今はやりの聖地巡礼の対象に蓮田がなるかは、まあ難しく、応援するのかしないのかこの中途半端さも大いなる疑問です。

■我が街の街興し

蓮田市では、蓮田SA活用事業として市内の農商工事業者が連携し、 新たな商品やサービスの開発が進められています(ということを知りました)。

たまたま、地域興しのアンテナを張っていたら、「(蓮田市の)農商工事業者を中心に本構想の説明とキックオフ セミナー、収穫鍋体験、地域農家見学会の参加募集」にヒットし、参加してきました。

前々から、新サービスエリアのポテンシャルを地域振興の起爆剤にすべきと考え、何もしてこない現状に歯がゆい思いを抱いていましたが、さすがにそこは商工会はじめ、農業経営者の有志の方々や市が新サービスエリア構想の初期段階から、これを地域振興に活かすべく「アグリキャンプ」をテーマに農商工連携(6次産業化)を考える研究会を立ち上げ活動を続けてこられたようで、頭が下がります。

我が街では都市経営の感覚が希薄だなあと、勝手に危機感を覚えていましたが、なかなかどうして、我が街も捨てたモンではないなあと嬉しくなった本日でした。

オープンセミナーの後は、前からその先進的取り組みが気になっていました渋谷農園さんをご案内いただき、その先見性に感心した次第。我が街は大丈夫かと気になっていましたが、今日の体験は久々に晴れやかな気分となりました。蓮田市農商工連携協議会、蓮田市環境経済部の皆様お疲れ様でした。

◆もしかしたら世界の歴史を変える街づくり?

  街づくりのプロとして私が今最も注目している街は、昨年訪問したアムステルダムから電車で約1時間の南東50kmに位置するアメルスフォルト市からバスで30分ほどのニューランド地区(Amersfoort,The Nieuwland)ニュータウンの北部にあるワーカルカルティエール・エリアです。

太陽光発電住宅の数こそ太田市の城西の杜に負けますが、太陽光発電を最初から計画した街づくりとしては随一です。国土がほとんど平坦な低地ゆえ、水が豊かで移動のエネルギーも最小限で済む地形に加え、各戸でエネルギーの自給が出来ることは、安定した生活がおくれる可能性があります。

私の研究は、これをもっと推し進めた、CO2削減とともにライフラインとエネルギーを恒久的に自給できる街づくりの研究ですが、これは戦争の原因を考えれば都市の構造自体が世界平和実現の可能性を担保できるものです。

このようなことは国家の命題であり自治体の仕事では無さそうですが、国家には原子力村など様々な利権やシガラミがあり、実現は困難でしょう。

ゆえに、むしろ一地方自治体がこれをケーススタディとして実現してしまい、コトバだけではなく真に持続可能な繁栄を実現して、この様子を世界に情報発信し、こういう街づくりがあったのか、こういう人類の発展があったのかということを世界に知らしめたいというのが、私が市長を目指す動機です。

そんな大きな話は市民には理解できないから、もっと卑近な話をしろとよくたしなめられます。ですが自動車やTVの普及が人々の生活様態をがらりと変えたように、エネルギーの自立が実現すれば国土の基本的な構造や世界の領土に対する価値観をがらりと変え、これまで多くの賢者達が社会システムの変更ではなし得なかった世界平和と持続可能な繁栄を現実のものに出来ます。

我が街蓮田市は残念ながら、ご指摘受けるように、このような大きな話は理解されないのも事実、それどころか小さな街の中で小さな利権に群がり街の発展をほとんど誰も考えず、それ故首都圏にあって穴場的に利便性が高いにもかかわらず、人口減少し衰退し続けています。

これを食い止め、街を発展させるには、これまでの単なる言葉遊びのような街づくりでは無理であり、それこそ日本中どころか世界がアッというような具体的政策が必要で、そのコアとなるものです。