この記事、本当に正しい判断なんだろうか? 調査ではエスカレーター事故が相次いでいるとなっていますが、全国で1年間に800件とすると、とても事故が「相次いでいる」とは思えないし、階段の事故件数はどうなんだろう。
不思議なのは、エスカレーターも階段も上り下りする行動は同じで、すぐ傍に手すりがあるか無いかの違いなので、手摺が必ず傍にあるエスカレーターの方が事故が少ないし、あっても被害が少ないように思います
何かの施設利用での事故を減らそうと思えば事故が無くなるまで利用制限することは手っ取り早いけれど、短絡的な気がします。大事なことは利便性とリスクのバランスでは無いでしょうか。
リスクマネジメントの考え方では、特定リスク(この場合エスカレーター事故)を分析して、発生確率と影響度の観点から評価した後、発生頻度と影響度の積として求まるリスクレベルに応じて対策を講じることになります。
その対策は大きく、①リスク回避、②リスク低減、③リスク移転(分散・転嫁)、④リスク保有に分類されますが、このうちの④は対策を何もしないことであり、発生頻度が低く、損害も小さいリスクに対して用います。
歩行に起因する事故は基本的に上の人が下に落ちてくる事と思われますが、その場合手すりが歩行者の側に必ずしも無い階段の方か、必ず傍にがっちりつかむことができる手摺がある(階段の手摺は掴んだままでは移動できない)エスカレーターよりも被害が大きいように思います。
そう考えると凄く便利で、事故がめったに起こらないなら、リスク保有もアリではないかと思った次第。本気で階段やエスカレーターにおける上下移動の安全性を考え、きちんとリスクアセスメントして対応を考えるなら、幅広の階段を禁止する方が先ではなかろかと思います。
うがった見方かもしれませんが、地方議員の方々は分析して議論するというメンタリティに欠けた方が多いように思うので、記事の内容からでは本当にきちんと状況を分析した上で条例制定を考えているのかと疑問を感じた次第。杞憂であることを願うばかりです。
